はじめにこの記事では、まず最初にテストクロージングとは何かをお話しし、テストクロージングが有効な営業、テストクロージングの作成のコツと例をみていきます。 以下のような方におすすめの記事です。・テストクロージングのやり方を知りたい・テストクロージングとは何かを知りたい・BtoC営業の営業・代表など、決済者に営業するBtoB営業 反対に以下のような方には役に立たない、または物足りない内容になってしまうと思いますので、別の記事をご覧頂ければと思います。・複数の担当者が導入検討するBtoB営業・決済者と担当窓口が異なる営業・どこでも通用するテストクロージングのトークを知りたいテストクロージングとはテストクロージングとは、お客様の商品購入の意思を確認することです。 クロージングを行う前にテストクロージングを行うことで、お客様の商品に対する懸念点の有り無しがわかります。懸念点がある場合は、その懸念点を丁寧に解消しています。 テストクロージングを繰り返し、懸念点を解消していくと、商品導入に対しての不安がなくなります。 その状態でクロージングを行うと、(商品に対しての不安は解消されている状態のため)あとは価格調整や納品スケジュールの話だけ考えれば良いので、条件調整も取りやすくお客様の購入意思決定も行いやすくなります。 このようにテストクロージングを適切に使用すると、クロージングした際に成約を頂きやすくなります。そのため、テストクロージングは使えた方がメリットが大きい営業のスキルの一つです。テストクロージングが有効な営業 営業として使えた方がメリットが大きいテストクロージングですが、有効に機能する営業と有効に機能しない営業があります。有効に機能する営業は以下のような営業です。テストクロージングが有効に機能する営業・BtoC営業・決裁権をもつ代表への営業を行うBtoB営業 先ほどの例でもわかるとおり、テストクロージングは個人が商品に対して購入の意思があるかを確認していく手段です。そのため、個人で商品導入の可否を決めることができるBtoCの営業や決裁権をもつ代表への営業などには有効な手段となります。 単体に以下のような営業にはテストクロージングはあまり有効に機能しません。テストクロージングがあまり有効に機能しない営業・複数の担当者が導入検討するBtoB営業 複数の担当者が導入検討するBtoB営業の場合は様々な角度から商品導入が検討されます。そのため、テストクロージングで懸念点を聞いても、社内会議で検討していく中で懸念点が変わったり、新しい懸念点が発生します。 そのため、テストクロージングで個人の購入の意思決定を確認しても、それが法人の購入の意思決定にはならないため、テストクロージングがあまり有効に機能しません。 複数の担当者が導入検討するBtoB営業の場合、テストクロージングよりもBANT情報などをヒアリングしていく方が有効です。 参考記事:BANT条件の4つの活用方法と現場で使える実践的なノウハウを公開 では次に、テストクロージングの組み立て方をみていきましょう。テストクロージングの作成のコツテストクロージングに決まったやり方は特にありません。そのため、自社の商品や営業、お客様に合わせてテストクロージングを作成することが一番です。 ここでは初めてテストクロージングを作成する方向けに、テストクロージング作成のコツを記載します。成約に必要な合意のポイントごとにテストクロージングを作成するお客様に商品を購入いただくために、商品ごとに抑えておくべきポイントがあります。そのポイントごとに懸念点確認のためのテストクロージングを作成しましょう。 例えば、広告営業であれば、商品を導入する意味、商品の効果、金額感の3つが抑えるべきポイントです。こちらの例でいうと、お客様が”商品を導入する意味を感じていない状態”でクロージングすると、表向きは「検討します」との回答になり、心では「商品の効果と金額感はわかったけど、うちで導入する意味ってないよね。」と考えており、最終的には導入見送りの判断を招くことになります。 このような事態を回避するためにも、テストクロージングを行い、クロージング前に懸念点を解消しておくことが重要になります。不快感を与えないような言い回しでお客様の行動に焦点を当てるテストクロージングを行う際に注意すべきポイントは2つあり、1つ目は言い回しです。表現によっては失礼な言い方になってしまう場合もあるので、言葉遣いや言い回しには気を使ってください。基本的に自分がお客様の立場になった時に、言われて不快にならないような言い回しで作成することがおすすめです。 2つ目のポイントは「良いと思いますか?」などの曖昧な表現ではなく、「価格を抜きに、商品の内容だけ見ると導入してみたいと思いますか?」など、実際に購入という行動をするかどうか確認するテストクロージングをすることです。 理由としては、「良いと思うけど、うちには必要ないかな」などの断り文句があるように、「良い」という感覚と「購入」という行動は必ず結びつくものではないためです。 購入という行動に移るほど納得しているかを確認するためにも、テストクロージングの内容は実際に購入という行動をするかどうかの文脈で作成することをおすすめしています。例:商品内容と契約内容の2つのポイントでテストクロージングするでは、最後に参考のために、テストクロージングを行う際の作成ポイントの例をあげます。 テストクロージングは「商品内容」と「契約内容」の2つのポイントで考えることがおすすめです。 理由としては、何度もテストクロージングされるはお客様にとって不快であるため。また、懸念点を考える時に、そもそも商品の「価値」の部分に懸念があるのか、それとも価値は納得してるけど「価格」に懸念があるのかで分けた方がわかりやすいためです。 具体的に「商品内容」の部分では、商品の説明が一通り終わった後に「ここまでお聞き頂きいかがですか?導入しても良いかなと感じましたか?」などのテストクロージングを行っていきます。 この時に「うーん、、、」という反応なら、何かしら商品で懸念を感じているのでフォローを行います。まずはどの部分に懸念を感じているかを明確にするためヒアリングを行います。・導入する意味を感じない・仕組みがよくわからない・メリットがわからないなど懸念点をヒアリングし、フォローを行い懸念点を解消していきます。 商品内容の懸念点が解消された後に契約内容を提示し、テストクロージングを行います。例えば「商品導入に向けて何か気になる点や、ひっかかる点はありますか?」などです。 商品内容の部分と同じように、価格の部分の懸念をヒアリングし、ヒアリングした懸念点を解消していく流れになります。一通り懸念点が解消できたら最終的なクロージングを行います。さいごにテストクロージングは身に付けると営業にとって有効な武器になりますので、ぜひトライしてみてください。また、チーム営業力を上げるためにも、チームでテストクロージングの方法を共有したり、アイディアを出し合ったりしても面白いと思います。