テレワークにツールは必要?テレワークを始める際に、そもそもツールを導入する必要があるのか疑問に感じる方もいるかもしれません。その答えを知るためにも、テレワークの特徴からおさらいしていきます。そもそもテレワークとは?テレワークとは、情報通信技術を用いた働き方をさします。tele(離れた所)とwork(働く)を組み合わせた言葉です。テレワークは勤務場所によって種類が分かれています。自宅で働くスタイルは在宅勤務、外出先で働くスタイルはモバイルワーク、本拠地とは別のオフィスで働くスタイルはサテライトオフィス勤務と呼ばれています。リモートワークとの違いちなみにテレワークと似た言葉にリモートワークがあります。remote(遠隔)とwork(働く)を組み合わせた用語です。そもそもテレワークは本拠地から離れた場所で働くので、リモートワークの定義に含まれています。したがって、リモートワークとテレワークはほぼ同義と考えてもよさそうです。遠距離で生じる悩みをツールで補うテレワークは拠点から離れた場所で勤務するスタイルであることをご説明しました。遠い場所だと、オフィスに集まって働くのとは違った悩みが生じます。たとえば、同僚や上司が側にいないと、仕事でわからないことがあったときに質問できません。また、オフィスに出勤しないと出退勤を記録することもできません。テレワークで仕事を円滑に進めるためには、ツールを利用して悩みを補うことが必要です。テレワークで必要になるツールテレワークでは、さまざまな場面でツールが必要になります。ここからは各種ツールの概要を解説します。チャットツールテレワークでは遠距離で仕事をするために細かく業務のやり取りをする必要があります。ただ、メールだと開封の手間がかかるほか、一対一でのやり取りになってしまうので、チーム全体でリアルタイムの情報共有ができません。その点、チャットツールはチームに対してメッセージをテンポよく発信でき、会話をしているような感覚でコミュニケーションが取れます。チャット内容をタスク化できるツールを用いれば、相手に確実にメッセージを伝えることが可能です。ただ、メッセージを伝えても相手が確認したことがわからなければ、仕事を中断しなければならないケースもあります。その場合は、ツールの利用ステータスを表示してくれるツールが便利です。チャットツールには、チャットのグループを気軽に作れるChatwork(チャットワーク)や、ほかのアプリやサービスと連携できるSlack(スラック)、LINEのビジネス版であるLINE WORKS(ラインワークス)などがあります。ビデオ会議ツールチャットではテキストを入力してやり取りするのが通常ですが、言葉だけでは説明しづらいことも当然あります。そんなときに役立つツールがビデオ会議ツールです。ビデオ会議ツールはパソコンやスマートフォンなどのWEBカメラを通してお互いの顔を確認しながら会話できるツールです。相手の表情を見ることで感情を把握しながらコミュニケーションでき、相手の理解度を確認しやすいというメリットがあります。具体的なツールとして、URLのリンクをクリックするだけで会議に参加できるZOOM(ズーム)やMicrosoftのアカウントで利用できるSkype(スカイプ)、最大100人まで会議に参加できるGoogle Meet(グーグルミート)などが代表的です。データ共有ツール遠距離で働くと、資料や写真などを広げて会議ができないことから、データやノウハウを共有しにくい悩みも生じます。その悩みを解決してくれるのがデータ共有ツールであり、チームのメンバーが同時にデータを作成・編集できます。中にはデータ内容にコメントをつけたり、データの変更について提案したりできる機能が備わったツールもあります。おすすめできるツールには、撮影と同時に写真や動画をバックアップできるDropBox(ドロップボックス)、Googleが提供しているGoogleDRIVE(グーグルドライブ)などがあります。勤怠管理ツールテレワークでは社員が会社に出勤しないことから、それぞれの勤務状況を把握しづらいという側面があります。勤務状況を記録できなければ給与計算ができません。また、勤務状況を把握できないからと、仕事をさぼってしまう社員が現れることもあるでしょう。その点、勤怠管理ツールの導入が不可欠になります。勤怠管理ツールとは、従業員の勤務時間や出勤日数を管理するためのツールです。出退勤の記録をする方法はさまざまあり、ICカードや指紋認証を活用するツールもあります。自社の勤務スタイルに応じて選択するとよいでしょう。具体的なツールとして、給与計算から労務管理まで行える人事労務freee(ジンジロウムフリー)、シフト管理や休暇管理ができるfollowスマートタッチ(フォロースマートタッチ)、低コストで必要な機能が揃っているジョブカン勤怠管理などがあります。人事管理ツールテレワークでは対面して社員と働くわけではなく、社員の実力を従来よりも把握しづらくなると考えられます。その点、人事管理ツールを用いることで社員のスキルを可視化でき、正確な人事評価を実施することが可能になります。人事管理ツールの中にはスキルだけでなく、性格やモチベーションを管理するツールや、給与シミュレーションが行えるツールなどもあります。ただ、社員の情報を取り扱うことから、導入にはセキュリティー対策が不可欠です。データを利用する社員のセキュリティー意識を高めことが大切になります。代表的なツールとして、人事データを一つのプラットフォームにまとめるjinjer(ジンジャー)や、顔写真で人材情報を管理するカオナビ、従業員の個性や適職を分析できるタレントパレットなどがあります。プロジェクト・タスク管理ツールオフィスにいるときはメンバーが担当している案件の進捗を気軽に確認できます。しかし、テレワークでは遠距離で働くことからプロジェクトやタスクの確認しづらくなります。チャットのやり取りでは仕事が順調に進んでいるように見えても、実はメンバーがトラブルを抱えているケースも少なくありません。一つのトラブルがプロジェクト全体に響くこともあり得るから厄介です。そのようなケースには、プロジェクト・タスク管理ツールが役に立ちます。プロジェクト・タスク管理ツールとは案件に関する工程やメッセージ、スケジュールを気軽に共有できるツールです。プロジェクトの進行度合いをグラフ化できるツールもあり、責任者が作業の問題点を把握するのに便利です。具体的なツールには、タスクをカード化して視覚的にプロジェクトを管理できるTrello(トレロ)や、ガントチャートやロードマップが作れるAsana(アサナ)、マイルストーンを作成できるWEB制作向けのBacklog(バックログ)などがあります。迷ったらテレワークの無料ツールから導入しよう!テレワークのツールを導入したくても、コストが気になって活用をためらってしまう方もいるかもしれません。その場合は、テレワークに役立つ無料ツールをひとまず使ってみることをおすすめします。無料ツールのほとんどは、必要に応じて有料プランにアップグレードして機能を拡張できるようになっています。無料ツールでも機能に不足がなければそのまま使い続けてもよいですし、機能が不足するなら有料プランに変更すればよいでしょう。今回紹介したツールの中にも無料で利用できるものがたくさんありますので、これからテレワークを始める方はぜひ活用を検討してみてはいかがでしょうか。