はじめに「Aさん以外、あのお客さんに接触することができない」「Bさんがどのように営業しているのかがよくわからない」など、営業組織の属人化に悩んでいる組織も多いのではないでしょうか。この記事では、そのような営業組織の属人化に関して触れていきます。まず最初に、属人化のデメリットに関して説明し、次に営業組織に多い属人化のパターンを紹介します。最後に、それらのパターンごとの属人化解消方法の例をお話しします。それでは早速内容をみていきましょう。属人化とは属人化とは、特定の担当者以外、その業務を行うことができない状態を指します。これは従業員ごとのスキルや知識のバラつきを意味するため、これらのバラつきを小さくしていく行為が属人化の解消や標準化と言われるものです。属人化のデメリット属人化することでのデメリットは、以下のようなものがあげられます。業務効率の低下特定の担当者以外、その業務を行うことができないため業務効率が低下します。例えば、お客様から問合せが入った際に、Aさん以外わからないためAさんを探して回る。Aさんが見つからない場合、お客様に折り返しを行う約束を取り付け、Aさん当てに問合せ内容のメールを作成するなど。サービス提供価値が人によりバラつくお客様へのサービス提供の価値が担当者ごとにバラつきが生じます。例えば、担当者ごとに説明が異なる、オーバートークの発生などです。業績が個人に紐づくトップセールスが営業組織の売上の大半を持ってきている組織の場合、仮にトップセールスが退職などで組織から抜けてしまった場合、業績が低迷します。また定年退職などで、ベテラン勢が抜けてしまい売上低迷に繋がることも、こちらのケースに該当します。残業や休暇取得率の悪化に繋がる業務が属人化していると、その担当者以外、その業務を完結することができません。その結果、担当者一人で業務を行うため長時間労働が発生しやすくなる、休むと仕事が回らなくなるため有給休暇を取得できないなど、働き方に悪影響が生じます。営業組織に多い属人化の代表的なパターンでは次に、営業組織に多い属人化の代表的なパターンをみていきましょう。顧客の囲い込み自分が担当しているお客様への接触を自分以外できないようにし、お客様を囲い込むパターンです。独自ノウハウのブラックボックス化どのように営業を行い受注に至っているかのノウハウを公開しないパターンです。案件ごとの進捗状況が不明現在営業している案件がどのような状態かの共有をせず、個人の営業単位で案件を管理しているパターンです。パターンごとの属人化への対策ここでは上記にあげた属人化への対策の例をパターンごとにお話ししていきます。顧客の囲い込みへの対策こちらに関しては、該当の営業担当者に顧客情報を開示してもらうようにします。この囲い込みが起きる時には、ジョブセキュリティが働いている場合が多いです。具体的には、自分しか特定のお客様と接触できない状況を作ることで、自分の存在価値を担保しておきたいという考えです。また、ジョブセキュリティとは異なり、過去に他の担当者に自分のお客様を接触させてクレームになったことが原因で、他の担当者を信用できずにお客様を囲い込んでいるケースもあります。いずれにせよ、囲い込みを行っている理由を明確にヒアリングし、担当者から顧客情報を出してもらうようにしましょう。独自ノウハウのブラックボックス化への対策いわゆるトップセールスのノウハウが共有されていない問題です。こちらに関しては、組織として最も多く発生している営業のNG理由などを特定し、それを突破している営業担当からノウハウを抽出する方法がおすすめです。案件ごとの進捗状況が不明への対策こちらに関しては営業案件の情報共有のルールを決め、共有された情報を管理していきます。管理方法として多いのものは、スプレットシートやエクセル、またはSFAなどのツールで顧客情報の管理を行っていくパターンが多いです。