はじめに「働き方改革」とセットである「休み方改革」ですが、こちらの記事では「休み方改革」の内容を取り上げていきます。まずはじめに休み方改革の概要を説明し、次に休み方改革を自社で実行するための「厚生労働省_自社の働き方・休み方改革診断」を紹介し、最後に休み方改革の実際の事例をいくつかお話ししていきます。なお、こちらの記事は厚生労働省の働き方・休み方改善ポータルサイトを参考にした記事内容です。それでは早速内容をみていきましょう。休み方改革とは休み方改革の概要と必要性は以下です。休み方改革の概要休み方改革とは2017年にスタートした、労働者が休みやすい環境を作っていくための官民一体となった実行していく施策になります。こちらの休み方改革ですが、かねてより問題視されていた日本人の長時間労働と有給取得率の低さを是正することが背景としてあります。具体的な施策の例としては、月末の金曜には仕事を早めに切り上げて普段できないことをする「プレミアム・フライデー」が有名です。プレミアム・フライデーの他にも、親子で一緒に過ごす時間を作るため学校の長期休暇を分散させる「キッズウィーク」や、土日などの連休に年次有給休暇で休暇を1日プラスする「プラスワン休暇」などがあげれらます。長時間労働の抑制と年次有給休暇取得の必要性長時間労働や休日出勤、休暇が取得できない状態が続くと、労働や休暇取得への満足度が下がります。実際に、厚生労働省が行った調査からも、週の労働時間が50時間を超えると過半数の社員が労働時間に対する不満を感じるようになり、年次有給休暇取得率が低いほど休暇に対する満足度が低くなることが明らかになっています。また、長時間労働や年次有給休暇取得率の低さは従業員の健康にも悪影響を与えるため、これらに関して是正が必要です。以上のような理由から、休み方改革を行い、長時間労働の抑制と年次有給休暇取得率を向上させることが重要となります。休み方改革を考える前にまずは自社の状況を把握しよう休み方改革をうまく行うためには、まず自社の状態を把握する必要があります。なぜなら、休み方改革がうまくいかない要因は、社員の意識や組織風土、人事制度など、複数の理由が影響しているためです。そのため、「何かの施策を一つ導入して終わり」というものではなく、人事制度や具体的な取り組みなどの実態を構造的かつ体系的に把握し、把握した実態に対して適切な施策を導入することが重要になります。「働き方・休み方改善指標」を用いた自己診断自社の状況把握のためには厚生労働省が提供している「働き方・休み方改善指標」を用いた自己診断を利用しての把握が便利です。結果を元に自社での取り組みを検討していく「働き方・休み方改善指標」を用いた自己診断の画面の案内にしたがって内容を入力していくと、自社の働き方・休み方の実態が可視化されます。さらに、自社の働き方・休み方に関して、どの部分に改善の余地があるかをアドバイスをしてくれます。これらを参考に、自社にあった休み方改革の施策を導入するのがおすすめです。休み方改革の事例の紹介では、最後に実際の休み方改革事例をご紹介します。なお、以下の事例は厚生労働省_休み方改善取組事例集(平成30年度)の内容を参考にしています。株式会社日立ソリューションズ働き方・休み方を変えるためには、トップや役員・管理職から働き方・休み方を変えていくことが重要という認識のもと施策を実行。人事部門が各部門の部長や課長に対して、年次休暇取得の呼びかけを行う。幹部の率先した年次有給休暇の取得を促すため、役員や管理職の年次有給休暇の取得状況を社内に公開。株式会社ノバレーゼ管理職と各レストランの料理長に対して、全社員及び契約社員の年次有給休暇取得率100%の義務付け。部下及び自身の有給休暇取得率を管理職の人事制度に反映している。大同生命保険株式会社連続休暇を計画的に取得する「計画年休」を導入。連続休暇が取得できなかった場合には、上司の評価に反映。大森機械工業株式会社「有給カウント12」という取り組みを実施、年間12日の年次有給休暇取得を目標にしている。毎月、各部署の一人当たりの平均有給休暇取得日数を算出し役職者に還元することで、自部署の有給休暇取得状況や他部署の状況を役職者が把握する仕組みを構築。総合メディカル株式会社全国展開している調剤薬局事業では地域ごとに「ブロック」という管理体制を構築。ブロック全体での休暇取得実績、今後の取得計画の管理をすることで有給休暇取得率の見える化を行っている。