はじめに働き方改革やテレワーク導入に伴い、新しい研修方法や人材育成の方法を検討している方も多いのではないでしょうか。そのような働き方改革やテレワーク環境下で役立つ人材育成の方法の一つに、インターネットとモバイル端末を活用したeラーニングがあげられます。しかし、eラーニングという言葉は聞いたことはあっても、内容自体はおぼろげという方もいらっしゃるでしょう。そこで今回の記事では、eラーニングに関しての基本的な内容と、eラーニングのメリット、デメリットをお話し致します。記事の後半では、eラーニングを導入する際の必要なもの、目的別のeラーニングシステムの選び方の例も取り上げます。この記事は以下のような方におすすめです。・eラーニングとはどのようなものかを知りたい・eラーニングを導入する際に検討すべき項目を知りたいそれでは詳細をみていきましょう。eラーニングとはeラーニングとは、インターネットを使用し、スマホやタブレット、PCなどのモバイル端末で学習を行うことを指します。eラーニングの利用シーンの例として、会場で行っていた集合研修をeラーニングへ変更した、などがあげられます。eラーニングのメリット/デメリットここではeラーニングのメリットとデメリットをみていきましょう。eラーニングのメリット、デメリットは以下の図のような内容があげれます。以上のように、学習者と提供者それぞれにメリット、デメリットがあります。eラーニングに必要なものeラーニングを実際に導入するにあたり、必要なものは以下です。学習用の教材学習者が使用する学習用の教材です。教材のフォーマットに関しては、テキストベースのものや動画、アニメーションなど様々なフォーマットがあり、学習が学習しやすいフォーマットを採用することがおすすめです。また、学習用の教材を用意する方法は以下の3つがあります。1.学習管理システムにある既成の学習用教材を使用する2.業者にオリジナルの学習用教材の制作を依頼する3.学習用教材を自社で制作するそれぞれメリットとデメリットがあり、例えば既成の教材を使用する場合、ビジネスマナーやビジネスフレームワークなど多くの企業で活用できる内容に関して学習することができます。反対に、自社で働く上で必要なスキルや独自ノウハウに関しては、既成の学習用教材ではカバーできないため、オリジナルの学習教材の作成が必要です。オリジナルの学習教材を作成する場合、業者に依頼して作成するか、自社で教材を作成することが考えられます。業者に依頼するとクオリティは高いですが、その分コストも発生するため、自社で教材作成を行っている企業もあります。簡易的な教材であれば、パソコンやスマートフォンの動画撮影機能などを使用し、自社で作成することも可能です。学習用のモバイル端末/ネット環境eラーニングを行うためには、学習用のモバイル端末とネット環境が必要です。学習用のモバイル端末は、スマホ、タブレット、ノートパソコンなどを指します。また、従業員が自宅や移動中でも学習できる環境構築を行う場合は、ネット環境をどうするかの検討も必要でしょう。タブレットを導入する場合は、合わせてsimカードの導入の検討も必要になります。LMS(Learning Management System)eラーニングを行う際には、LMS(Learning Management System)と呼ばれる学習管理システムを使用するケースが多いです。LMSの機能としては、以下が代表的な機能となります。・学習教材の管理・学習者の管理・学習者ごとの進捗状態の管理LMSを使用することで、学習教材の管理や更新はもちろん、学習者ごとに進捗状態を把握することができるため、学習者の進捗状況に応じて個別フォローを行うことが可能です。このようなLMSに関しては、自社で内製する場合もあれば、外部の学習管理システムを使用する場合もあります。管理者学習教材の作成や管理、古くなった学習教材の更新など、eラーニングを行う上での管理者が必要です。また、管理者は学習者ごとの進捗状況を把握し、進捗が遅れている従業員いる場合には対象の従業員に対して学習の促進を行います。目的別eラーニングシステムの選び方の例eラーニングを導入するためには、どのように学習管理システムを選定すべきでしょうか。ここでは学習管理システムの選び方の例をあげます。目的を設定する学習管理システムを導入する前に、eラーニングを導入する目的を設定しましょう。学習管理システムにはそれぞれ長所、短所があり、目的によって適した学習管理システムが異なるためです。また、目的によっては学習管理システムも導入しなくても、Googleドライブなどで学習教材を共有するなどで十分なケースも考えられます。自社に適した取り組みを行うためにも、まずeラーニング導入の目的を決めることが重要です。以下、例として目的別の学習管理システムの選定の例をみてみましょう。新人育成の効率化が目的の場合例えば、今まで集合研修で行っていた新卒の新人研修を効率化が目的の場合です。この場合、オリジナルコンテンツを作成する学習管理システムよりも、ビジネスマナーなどのビジネスコンテンツが最初から既成コンテンツとして内包されている学習管理システムが良いでしょう。既存メンバーの生産性アップが目的の場合既存メンバーの生産性アップの場合、独自のノウハウやスキルなどの学習教材を学習者に展開していくナレッジマネジメントが考えられます。このような場合、最初から内包されている学習教材ではなく、自社独自の学習教材の作成が必要です。このように独自の教材を作成する必要がある場合は、簡単に学習教材を作成できる、新しいコンテンツが追加されたらすぐに確認できる、自身の現在の状況に必要な学習教材が探しやすい学習管理システムがおすすめです。さいごにここまで見てきたようにeラーニングにはたくさんのメリットもありますが、実技を伴う学習に弱いというデメリットもあります。そのため、eラーニングのみの学習にするのではなく、OJTなど実技を通じて行う学習を組み合わせて人材育成を図ることが大切になります。