はじめに「部門間で情報共有がない」「隣の部署が何をやっているかよくわからない」このようなことを感じていたら、もしかしたら組織がサイロ化しているかもしれません。組織がサイロ化すると様々な問題を引き起こすため、組織のサイロ化はできるだけ防ぎたいものです。今回の記事ではサイロ化とは何か?また、組織がサイロ化することで発生する問題とサイロ化を防ぐための施策の例をお話ししていきます。まず最初にサイロ化の語源からみていきましょう。サイロ化とは「サイロ」とは家畜の飼料を入れておくための、円筒の形をした飼料貯蔵庫のことです。このような飼料貯蔵庫のサイロは、北海道を車で移動しているとたまに見ることができます。このような飼料貯蔵庫は一つ一つ独立して家畜の飼料を保存しており、そのような飼料貯蔵庫になぞらえて、異なる部門間で情報共有をしない、連携できない状態の組織を「サイロ化している組織」と呼ぶようになったそうです。このようなサイロ化は他にもセクショナリズムや、タコツボ化などとも呼ばれます。組織のサイロ化はどのような組織でも起こり得ます。特に規模が拡大してくると、その分サイロ化しやすくなります。では、次にサイロ化することで発生する問題をみてみましょう。サイロ化する事で組織の生産性が下がる組織がサイロ化すると、最終的に組織の生産性が下がります。様々な問題が発生した結果、生産性が下がるのですが、ここでは代表的なサイロ化による問題をあげていきます。業務の質を上げる情報にたどり着くことができない情報の共有を部門間で行えていないため、業務の質が上がりません。例えば、顧客サポート部門でうまくサポートし自社サービスの効果が出たお客様の成功事例があったとします。営業部門がこの成功事例を知っていれば、新規開拓時にこの成功事例をお客様に伝え、新規の受注数を増やすことができるかもしれません。しかし、実際には顧客サポート部門と営業部門で情報共有の仕組みがないため、営業部門はこのような成功事例を知ることができず、結果的に本来であればお申し込み頂けるお客様を逃してしまっています。このように、部門間の情報共有が滞ることで、現状の業務の質を引き上げることができないため業務の現状維持の状態が続いてしまいます。車輪の再開発を行うこちらは既に他の部門で答えを持っている内容にも関わらず、新たに0ベースで同じような内容を作成してしまう状態です。わかりやすい例でいうとお客様に提示する資料などが挙げられます。例えば、顧客サポート部門ではサポート用に既に用意されている内容の資料が共有されていないため、新規営業時に営業部門が各々で顧客サポート部門が所有してる資料と同じような内容の資料を独自に作成していたりするなどです。顧客サポート部門と営業部門で資料が共有化されていれば、資料作成の時間が削減されるため、営業部門はその分の時間を新規開拓の時間に回すことができます。部門間で争いが生まれるサイロ化が悪化すると、酷い場合は部門間で争いがおきます。同じ組織であるはずなのに、部門間で足の引っ張り合いが起きたり、自社部門の利益になるもの以外には非協力的になるなど、業務妨害が発生します。以上で述べたように、組織がサイロ化すると様々な問題が発生し、それが最終的に組織の生産性を大きく下げることになります。では、このようなサイロ化を防ぐためにはどのような施策を行えば良いでしょうか。サイロ化を防ぐための3つの施策最後にサイロ化を防ぐための施策を例としてあげていきます。部門をまたいだ情報共有の仕組みを作る部門をまたいだ情報共有の仕組みを作りましょう。こちらに関しては組織の状況や環境ごとに情報共有のために行うべき仕組みや施策の内容が異なります。例えば、情報共有する文化がないだけであれば、部門を超えた情報共有のためのルールを設定し実行していきます。また、そもそも情報管理ツールが部門によって異なる場合は、一つのツールに情報を統合するなどの対応を行う必要があります。この時の注意点は、ITリテラシーが高いメンバーにツールを合わせてしまうと、ITリテラシーが低いメンバーはツールを使わないため、組織全体で見たときに結局情報共有ができていない状態が発生します。そのため、できるだけ理解しやすいツールで情報を統合することがおすすめです。担当者を立てて定着までしっかりとサポートするサイロ化を解消するためには担当者を立てることをおすすめします。理由としては、中立の立場で意見できる人間がいた方が良い点と、情報共有の定着には時間を要するため都度メンバーへのサポートが必要になるためです。担当者をしっかりと立て、情報共有の文化が醸成されるまで追うようにしましょう。部門間交流の場を作る情報共有と相互理解を深めるためにも、ランチ会、勉強会など何かしらの形で部門間交流の場を作ることがおすすめです。