はじめにこの記事では、営業マネジメントは何かを説明し、営業マネジメントを行う上で抑えるべき基本的な項目と、営業マネジメントに組み入れるべき営業のナレッジ管理について触れていきます。営業マネジメントとはマネジメントとは、日本語で「管理」や「運営」を意味します。営業マネジメントとは、営業組織が目標を達成できるように組織を管理・運営していくことを指します。組織の目標を達成するための手段が営業マネジメントであり、営業マネジメントを上手く行うためには以下の項目を抑えることが重要です。営業マネジメントの重要な管理項目ここでは営業マネジメントを行う上で、重要な管理すべき項目をみていきます。①目標管理目標管理とは、営業組織の目標(予算)を達成するための計画を立て、その計画を管理していくことを指します。目標管理を行うための手順は以下のような流れです。まず、営業組織が達成すべき目標(予算)をどのような手順で行えば達成できるか、を分解していきます。例えば、1件の受注(金額)= 見込み数 × アポ率 × 受注率に分解し、組織の目標を達成するためには何件の受注が必要で、そのためにはどのくらいの行動が必要か、などです。このように目標を細かく分解していくことで、組織として必要な目標金額達成のために必要な行動が具体的に決まっていきます。次に、目標達成のための必要な行動と目標(予算)を各営業担当者に割り当てます。営業担当者の能力は一律ではないため、機械的に目標を設定してしまうと人によっては全く達成できない目標になってしまいます。※例えば、組織の目標金額を人数で割って一人当たりに目標を設定する、またはあまりにも現実と乖離した予算が与えらるなど。このような場合、営業担当者のモチベーション低下に繋がり、最終的には組織の目標も達成できなくなってしまいます。そのため、営業担当者と対話し、営業担当者と設定目標の合意を形成していくことが重要です。目標設定後は、日報、週報、月報などで進捗を管理し、目標達成に向けて順調に進んでいるかをチェックします。②プロセス管理プロセス管理とは、受注に至るまでの営業の一連の流れを分解し(営業プロセス)、営業プロセスを数値で管理することを指します。プロセス管理を行うメリットとしては、営業での歩留まり(ボトルネック)が可視化されるため、問題把握がしやすくなるのがメリットです。例えば、組織の営業プロセスの中で弱い部分はどこか、または個々の営業担当者を比較しどのプロセスが良いまたは悪いのかが可視化されます。営業プロセスの例としては、認知→課題の明確化→要件整理→比較検討→予算化→申込など顧客の購買の流れで営業プロセスを作成したり、コール数 × アポ率 × 受注率などで営業プロセスを管理するなどあります。どのような営業プロセスで管理するかが良いかは、扱っているサービスや営業方法によって異なるため、自社の組織に合わせた形で営業プロセスを作成するのが良いでしょう。③案件管理案件管理は、案件ごとにどのようなプロセスを踏んで成約に導くかを管理するものになります。例えば、商談を前に進めるために、次にどのような行動をするのか(ネクストアクション)を案件ごとに管理したり、商談を前に進めるにあたり障害になりそうなことは何かを把握し対策を考えるなどが挙げられます。また、BANT条件などを活用し、案件ごとの確度を管理する方法もおすすめです。BANT条件の詳しい内容に関しては、こちらの記事をご覧ください。https://mebuku.co.jp/magazine/bantBANT条件などを利用し案件ごとの確度を管理することで、「予算に対して確度Aが◯◯件、確度Bが××件のため、確度Bの案件を△件増やす必要があり、そのために〜の行動を行う」など組織として必要なネクストアクションを考えやすくなります。④モチベーション管理仕事に対してモチベーションを高く保ち続けることは、難しいことです。そのため、営業担当者のモチベーションを高く保つことができるよう組織としてサポートが必要です。モチベーションが高まる動機は営業担当者によって異なります。例えば、金銭的な報酬でモチベーションが高まるタイプもいれば、スキルアップしたい/経験を積みたいなどの自己実現ができる環境がモチベーションを高める、というタイプもいます。リソースの関係上、全ての従業員のモチベーションを上げるための環境を提供をすることは出来ませんが、営業担当者それぞれのモチベーションを高める動機を把握することで、モチベーション管理が行いやすくなります。それぞれのモチベーションが高まる動機を把握し、1 on 1やコーチング、メンター制度や人事制度設計など、必要な施策を実行することにより営業担当者のモチベーションを高めていきましょう。この時の注意点としては、人の感情を直接コントロールすることは難しい、ということを認識しておくことです。例えば、モチベーションが下がっている営業担当者に対して「もっとやる気を出せよ!」と直接的に感情をコントロールしようとしても、かえって反発を招きモチベーションがダウンしてしまうかもしれません。あくまで環境を用意するなど間接的なアプローチを行い、その結果、モチベーションが向上していくということを念頭におきましょう。営業マネジメントに組み入れるべき営業ナレッジ管理先を見据えたときに、営業マネジメントに組み入れるべき項目は営業のナレッジの管理(=ナレッジマネジメント)だと弊社は考えています。ナレッジマネジメントとは、業務ノウハウをメンバーで共有する事で組織全体の生産性を向上させ、企業として競争力を強化していくための考え方です。ナレッジマネジメントが必要な背景には、市場環境の変化のスピードの早さ、働き方改革による生産性向上、少子高齢化による人材獲得の難しさ、価値観の変化やキャリアパスの多様化による人材の流動性の高まりなどがあげられます。そのような中、トップセールスに依存する体制や属人化した営業は企業競争力を維持する上でのリスクになり得ます。変化が激しい時代の中で企業競争力を維持・向上させるためにも、営業ナレッジを管理し、誰でも営業ナレッジを利用し成果を上げることができる環境を構築することが大切です。ナレッジマネジメントに役立つツールに関しては、以下の記事をご覧ください。https://mebuku.co.jp/magazine/knowledge-management-tool#index_uuJnfPJPさいごにまとめると、営業マネジメントは営業組織が目標を達成するために組織を管理・運営することです。営業マネジメントを行う上で重要な管理すべき項目は、目標、プロセス、案件、モチベーションになります。より営業組織の生産性を上げるためには、ナレッジマネジメントにも少しづつ着手していくことが大切です。