はじめに市場の変化や働き方改革の影響もあり、リモート営業への移行を検討する組織も増えているのではないでしょうか。そんな中、リモート営業への移行を行うための、最低限乗り越えるべき自社での障害がどのようなものかそもそも検討がつかない、という方もいらっしゃると思います。そこで今回の記事では、営業組織のリモート移行を考えている方向けに、リモート移行前に検討すべきチェック項目に関して記載します。具体的には、最初にリモート営業とリモート営業のメリットを説明し、その後にリモート移行のため事前に検討すべきチェック項目をあげていきます。そのため、今回の記事は以下のような方におすすめです。・リモート営業を今から取り入れようと考えている・リモート営業を取り入れるに当たって、自社での注意点を知りたいまた、以下のような方は既にご存知の内容が多くなります。・既にリモート営業を行っている・リモート営業の質を上げる方法を知りたいこのような方は、参考になる情報が少ないので別の記事をご覧頂ければと思います。では、まずリモートでの営業とはなにか、からみていきましょう。リモートでの営業とはリモート営業とはお客様先に訪問せずに、会社や自宅から遠隔で行う営業です。現在では、主にwebミーティングツールを活用し、お客様に資料を提示しながらオンライン上で営業を行うことが主流になっています。リモート営業を取り入れることによるメリットリモートワークを取り入れることによるメリットは多々ありますが、ここでは代表的なメリットをあげていきます。移動時間と営業交通費が削減できる一番わかりやすいメリットです。お客様先に訪問しないため、今までかかっていたお客様先への往復の移動時間が削減されます。今まで移動で使っていた時間を利用し、例えば1日の商談数を増やしたり、違う業務に当てるなどして生産性を上げる取り組みを行うことが可能になります。また、交通費が削減される点も大きなメリットの一つです。営業のアプローチ可能なエリアが広がる遠隔での営業のため、今まで物理的な制約がありアプローチできなかったエリアにもアプローチすることが可能になります。優秀な人材を雇いやすくなるリモート営業の場合、会社だけでなく、インターネットがあれば自宅からの営業も可能になります。そのため、例えば通勤圏内に在籍していない人材を営業として雇ったり、または家庭の都合で限られた時間でしか働けない人材をスポットで雇うなど、これまでより柔軟に人材を雇うことが可能になります。もちろん会社のルールにもよりますが、時間と場所による制限が少なくなる分、これまで雇えなかった優秀な人材を雇える可能性が広がります。優秀な営業担当の営業動画を撮影し、共有することができるこれまでは優秀な営業担当のノウハウは同行しないと見ることができませんでした。そのため、一部の人間にしかノウハウ獲得の機会はありませんでしたが、リモート営業ではツールを使用すると商談を録画することも可能です。録画した動画を社内で共有することで、誰でも優秀な営業担当のノウハウに触れることができるようになります。以上がリモート営業での得ることができる代表的なメリットです。事前に検討すべきリモート営業への移行のためのチェック項目先に述べたようなリモート営業にはメリットがたくさんあります。では、実際にどのようにリモート営業への移行を進めるのが良いのでしょうか。リモート営業自体に決まったやり方はなく、自社に合わせて必要なリモート営業の運用を構築しています。そのため、ここではリモート営業への移行を考える際に、事前に確認した方が良いチェック項目とそのチェック項目ごとのよくある対応策を例としてあげていきます。※以下の内容は前提として、営業活動のみリモートにするのではなく、自宅で稼働するリモートワークに移行したリモート営業を前提にしています。勤怠管理勤怠管理をどうするかです。オンラインの勤怠管理システムを入れているところに関しては問題ありませんが、タイムカードや会社にあるパソコンからしか打刻ができない場合は、どうするか考える必要があります。よくある対応策としては、オンラインでできる勤怠管理システムを導入する、会社のパソコンを遠隔で操作できるリモートアクセスのサービスを導入するなどです。契約書類の提出/管理お客様との契約締結や頂いた契約書類をどのように取り扱うかです。対応策としては、電子契約を導入し契約締結をオンラインで完結するようにする、または契約書を郵送でお客様とやりとりし、捺印後は会社に直接送ってもらうようにするなどが挙げられます。経費精算リモート営業になると営業交通費は減少しますが、どうしても移動しなければいけないため発生する交通費や、その他立替精算が発生することがあります。経費精算が発生するたびに会社にきて上長から捺印をもらい提出の従来までのフローだとかなり大変です。対応策としてはクラウドでの経費精算システムの導入が挙げられます。システムの導入が難しい場合は、1ヶ月に1回や2週間に1回など、経費精算する日を決めて対応している企業もあります。顧客管理お客様の顧客情報をどこに保存するかです。自社サーバーへ顧客情報を保存している場合は、外部からアクセスできないので対策を考える必要があります。対応策としては、クラウドの顧客管理システムを導入し顧客データを移行する、リモートアクセスまたはVPNを導入し従業員の個人端末からでも会社のサーバーにアクセスできるようにするなどがあげられます。こちらに関してはセキュリティや利便性の観点も踏まえて、導入の判断をするのがおすすめです。日報日報を運用している企業も多いと思います。紙で日報を運用している企業の場合は日報自体を電子化し、保存する場所を考える必要があります。よくある対応策としては、顧客管理ツールに記載する内容を日報代わりにする、メールで日報を記載する、チャットツールで日報を記載するなどです。メール会社のパソコンでしかメールができない場合もメールを外部から使えるようにしなければいけません。こちらもリモートアクセスまたはVPN導入することが多いです。パンフレット、営業資料訪問営業の場合、紙で営業資料やパンフレットを用意している企業も多いと思います。リモート営業の場合、オンラインでの商談がメインになるため、まず営業担当者が営業資料やパンフレットにアクセスできるよう資料を電子化する必要があります。また、対面で使用していた資料をPDF化しオンライン営業を行うと、お客様が見にくいケースや構成がバラバラで営業がやりづらいケースがあります。そのため、資料やパンフレットもオンライン用のものを作成することがおすすめです。対応策として、まずはクラウド上での資料管理ツールを導入していくことが一般的です。web会議ツール営業や社内会議を行うために必要なツールになります。こちらは無料のものから有料のものまであります。人数制限がある、利用時間に制限がある、指定の対応ブラウザでないと使えないなどツールによって特徴があります。自社の用途に合わせたツールを選びましょう。報連相の手段とルールリモートでの営業の場合、同じ会社にいると行えた「今ちょっと時間ある?」などのコミュニケーションが取りづらくなります。そのため、リモートでのコミュニケーションの手段とルールに事前に決めておく必要があります。メールをコミュニケーションツールとして活用するとタイムリーなやりとりができないため、チャットツールを導入することが一般的です。また、緊急時のために携帯電話を個人ごとに付与するのか、個人の携帯電話番号を共有するのか考える必要があります。こちらの緊急時の連絡先に関しては、従業員のプライバシーの問題も考慮する必要があります。ヨミ会や朝礼などの手段とルールリモートでの営業の場合、今まで対面で行っていた朝礼やヨミ会などでの案件報告や指示ができない、または出来てもやりづらいです。そのため、朝礼やヨミ会をどのように行うか手段とルールを決めておく必要があります。対応策としては、webミーティングツールで朝礼やヨミ会を行う、ヨミ会の細かな数字把握に関してはSFAやスプレットシートなどのツールを利用するなどが挙げられます。マネジメントの手段とルール管理職の方が一番困るのがこのマネジメント方法ではないでしょうか。今までのように対面での指導や管理ができないため、都度指示を出していくようなマイクロマネジメントができなくなります。そのため、マネジメント方法をどうするかを事前に考える必要があります。対応策として、従業員のパソコンの操作画面を録画してサボっていないか確認するツールを導入する企業もあれば、その日に行う業務(成果物)を明確にし、それを実行することで管理を行うようにするなど、企業によって方法は様々です。ぜひ自社にあったマネジメント方法を取り入れて頂ければと思います。さいごに初めてリモート営業に移行する場合は大変ではありますが、苦労しても移行する価値は十分にあると思います。また、予算にも限りがあり、全てを完璧に行うのは難しいため、自社にあったリモート営業を明確に設定し、それらに必要な取り組みを行っていくことをお勧めしています。この記事がリモート営業への移行を考える際のお役に立てれば幸いです。