はじめにテレワークが普及し、市場環境も徐々に変わっていく中で、新規顧客獲得のため今からマーケティングに力を入れようと考えている組織も多いのではないでしょうか。BtoBマーケティングに触れていくと、リードジェネレーションやリードナーチャリングという言葉が頻繁に出てきます。今回の記事では、その中のリードナーチャリングという言葉について触れていきます。リードナーチャリングとはリードナーチャリングとは、見込み顧客を育成していくプロセスのことを指します。B to Bの購買に至るまでのプロセスは長期に及ぶケースが多く、認知の段階、興味・関心の段階、購買の段階とステップを踏んで購入に至ります。そのため、顧客が購買プロセスのどの段階なのかを特定し、段階に応じて適切な情報提供を行うことにより、自社サービスへの興味関心を強めていく活動が重要です。リードナーチャリングが重要な理由リードナーチャリングが注目される背景にはいくつか重要な理由があります。自社サービスが選ばれる確率を上げる先ほど述べたようにB to Bの購買プロセスは長期に及びます。例えば、展示会などで名刺交換を行い自社サービスを顧客に認知してもらってから、購買に至るまでかなりの時間を要するでしょう。展示会での接触以外に顧客と何も接点を持たない状態では、顧客はやがて自社サービスを忘れ、サービスの導入検討を行うタイミングの際には、そのタイミングでアプローチしていた他社サービスのみ検討するという状況になってしまいます。このような事態を防ぐためにも、顧客の購買プロセスの段階に応じて有益な情報を提供を行い、顧客との関係性を保ち続けることが重要です。営業リソースを確度の高い案件に集中できるリードナーチャリングでは、顧客の行動をwebトラッキングなどで可視化し、行動に点数をつけ、その点数が閾値を超えたら営業担当が商談の機会創出のためのアプローチを行うなどをすることができます。例えば、資料請求をした顧客は5点、デモ依頼があった顧客は20点など。そのように、顧客の行動に点数をつけることにより確度の高い案件を可視化することで、営業のリソースを確度の高い案件に集中させることが可能になります。失注案件の再商談化 顧客リストは有限であるため、新規の顧客を増やし続けることはできません。そのため、過去に失注した案件をナーチャリングすることにより、改めて商談の機会を設定することが重要です。また、営業担当者が見込みなしと判断しフォローしなかった顧客のうち8割が2年以内に競合からサービスを購入しているという調査結果をSiriusDecisions社が発表しています。このような調査結果からも、失注案件を改めてナーチャリングし直すことが重要だと言えます。リードナーチャリングで使用する主なコンテンツリードナーチャリングは顧客の購買プロセスごとに、適切な情報を提供する必要があります。そのような情報を提供する手段として、代表的なコンテンツを取り上げていきます。メルマガリードナーチャリングにおいて、一般的に行われているのがメルマガです。週に一回や月に一回など、定期的にメールを用いて顧客に情報発信を行っていきます。ウェビナーオフラインで行っていたセミナーを、Zoomなどのweb会議ツールを用いてオフラインに移行したものになります。また最近ではYouTubeのライブ配信機能を使用して、ウェビナーを行っている企業もあります。テレワークの普及もあり、ウェビナーをリードナーチャリングの手段として取り入れる企業も増えてきています。オウンドメディア自社で保有するメディアのことを指し、一般的なものでは、ブログやサービスサイトなどが挙げられます。ブログなどで顧客に取って役立つ情報を提供し、自社サービスへの興味を高めてもらいます。ホワイトペーパー「白書」というと、統計データや現状分析、今後の展望などの内容が記載されているものになりますが、マーケティングで使用されているホワイトペーパーという用語は、自社のサービス情報や、お役立ち情報など、何かしらの情報がまとまった文章を指します。形式としてはPDFでの提供がメインです。動画サービス紹介動画や、ウェビナーやセミナーの様子を撮影し動画にしたものです。YouTubeで動画を公開したり、自社のホームページ上に動画を公開している企業が多いです。さいごにここまで見てきたように、リードナーチャリングにはコンテンツが非常に重要です。購買プロセスごとに適したコンテンツの作成はもちろん、そのコンテンツが実際に有効だったのかを検証する必要があります。また、各メンバーが顧客の購買プロセスに合わせて適切なコンテンツを提供できなければいけません。