近年、情報技術の発展にともなって、情報共有の手段が多彩になってきました。情報共有ツールを有効活用すれば、職場の業務がさらに円滑に進むようになるでしょう。ただ、情報共有ツールは選び方を間違えると情報漏えいにつながる危険性もあります。今回は情報共有ツールの選び方について社内向けと社外向けに分けて解説します。情報共有ツールの選び方情報共有ツールの選び方を解説する前に、情報共有ツールの概要をおさらいしていきます。そもそも情報共有ツールとは?情報共有ツールは業務に関連する情報をチームで共有するためのツールです。従来の情報共有の手段としては、音声で情報を共有できる電話や、図面・表・地図といった口頭では伝えづらい内容を紙面で共有できるFAX、文字とともにデータファイルを添付して送信できるメールなどがありました。ただ、近年は情報共有のパターンに応じて、ツールのジャンルが細分化されるようになりつつあります。たとえば、日ごろの報連相を円滑に進めるためのチャットツールや、データを管理するための表作成ツール、各自で情報を自由に追加できる社内wikiツールなどです。従来のツールとあわせて最新のツールを有効活用すれば、チームの情報共有がさらに快適になっていくと考えられます。社内と社外に応じて選択する情報共有をするときは、社外と社内のパターンにも分かれます。それぞれのケースでツールの選び方が異なるので、導入する際に注意してください。社内に適したツール社内で情報共有するツールを取り入れても、使い方がわからなかったり、情報を検索しにくかったりすると、ツールの利用が浸透しない恐れがあります。そのため、スムーズに情報を共有できるツールを選択することが大切です。たとえば、データファイルをアップするときにドラッグ&ドロップに対応していれば、直感的な操作で気軽にデータを共有できます。また、検索機能がついているチャットツールを選べば、必要なコメントをスムーズに再確認することが可能です。また、情報共有ツールの中には導入についてサポートを行っているサービスもあります。社内で情報共有ツールを有効活用できるか不安な場合は、ツールの提供元に一度相談してみるとよいでしょう。社外に適したツール情報共有するデータが多いほど、情報漏えいのリスクは高まるといえます。社外の情報を漏えいさせてしまうと大きなトラブルに発展しかねません。その点で、社外と情報を共有するツールを選ぶ際にはセキュリティ対策についても配慮することが大切です。具体的には、ファイルにアクセスできるユーザーを制限できる機能があれば、第三者にデータを見られてしまう事態を防げます。そのほか、アクセスのログを確認できる機能があれば、トラブルが起きたときの責任の所在も特定しやすくなります。情報共有ツールのおすすめ5選おすすめの情報共有ツールを社内向けと社外向けに分けて計5つ紹介します。社内向けはじめに社内向けの情報共有ツールを2つ紹介します。社内向けツール1.slack(スラック)slack(スラック)は、チーム専用のワークスペースを作れる情報共有ツールです。サービスやツールを連携させることも可能であり、慣れているツールを継続して利用できることもあります。ツール内に検索ボックスも配置されており、キーワードを入力すると過去にさかのぼって関連するコメントの内容を探すことが可能です。メインの機能はチャットですが、ワークスペース内では各メンバー同士で音声通話やビデオ通話を行うこともできます。加えて画面を共有することで、PCの内容を相手に見せられます。柔軟に情報を共有できるツールをお探しであれば、slack(スラック)はとても役に立つことでしょう。社内向けツール2.Dropbox Paper(ドロップボックスペーパー)Dropbox Paper(ドロップボックスペーパー)は共同作業を行うために最適な情報共有ツールです。ドキュメント上でタスクの割り当てや締め切りの追加、ユーザーへのメンションを行える点に特徴があります。画像の挿入や配置の方法も非常にシンプルです。Windowsでは「Ctrl+V」のコマンド操作でドキュメントに画像を貼りつけられ、スクリーンショットの手間がかかりません。貼りつけた画像はドラッグ&ドロップで移動することができ、移動後はほかの画像の配置まで自動で調整されます。専用のモバイルアプリを活用すれば、アイデアを気軽に書き留めたり、フィードバックを送ったりすることも可能です。社外向け次に社外向けの情報共有ツールを3つ紹介します。社外向けツール1.LINEWORKS(ラインワークス)LINEWORKS(ラインワークス)とは、ワークスモバイルジャパン株式会社が提供している情報共有ツールです。チャットやカレンダー、アンケートといった機能などで情報共有を行えます。セキュリティ専門のエンジニアチームが365日24時間体制でシステムをモニタリングすることで、顧客データの安全を保護しています。ファイルを共有する場合には、暗証番号やワンタイムパスワードの設定が可能であり、社外と情報を共有するのにも適しているといえるでしょう。社外向けツール2.Box(ボックス)Box(ボックス)は場所やデバイスによらず安全にデータを管理できる情報共有ツールです。米英国の公的機関からも評価されるほど、業界最高水準のセキュリティレベルに定評があります。特筆すべきポイントが権限設定のバリエーションが豊富な点です。フォルダの管理者は、共同保有者、編集者、プレビューアー、ビューアー、アップローダーなどの権限を付与できます。たとえば、アップローダーの権限では、アップロード以外の操作が行えず、プレビューアーの権限ではダウンロードやリンクの取得が行えません。このような権限設定を有効活用すれば、社外と情報を共有する際に、機密情報を悪用されるリスクを減らしやすくなるでしょう。社外向けツール3.GoogleスプレッドシートGoogleスプレッドシートはGoogleが提供する表作成ツールです。一般的にデータを共有するとき、Excelファイルをお互いにメールで送信するのでは、手間がかかってしまいます。その点、Googleスプレッドシートは一つの表を共同で閲覧・編集でき、リンクをクリックするだけでデータにアクセスすることが可能です。無料で使えるので、気軽に導入しやすい点もメリットでしょう。ただ、気軽に情報を共有できるということは、情報漏えいのリスクも高まるといえます。Googleスプレッドシートは、オーナーがデータに対して共有の権限を変更できるので、第三者がデータを見れないように設定できます。社外とデータを共有するツールとして重宝するに違いありません。情報共有ツールでコミュニケーションを活発に以上、情報共有ツールの選び方やおすすめツールをご紹介しました。情報共有ツールを導入するメリットには意思疎通の活発化も含まれます。コミュニケーションが活発になれば新たなアイデアが生まれやすくなるほか、社内の雰囲気が良くなって離職率を下げることにもつながるかもしれません。情報共有ツールをぜひ導入してみてはいかがでしょうか。